診療科・部門
整形外科
診療方針
整形外科のベッド数は約50床で、特に特定の領域に偏らず、地域の病院として全般的な整形外科の診療を行っており、近隣の開業の先生方や接骨院などからもたくさんの患者様のご紹介を受けています。また、日本整形外科学会の専門医研修施設・日本手外科学会の専門医研修施設に認定されています。整形外科専門医・手の外科専門医・リウマチ専門医が常勤しており、手や肘などの上肢の疾患は関谷・吉澤医師が主に担当し、また股関節・膝関節などの関節疾患を山本が中心となり診療しています。
また、整形外科病棟では「心かようふれあいの看護を目指して」患者様の心に寄り添う看護提供に日々つとめております。日常生活動作の低下、術後合併症などのさまざまなリスクを回避するため早期離床を心がけ、機能回復に向け医師、看護師、理学療法士との連携を図り患者様の生活の質が高まるよう援助しております。
日本整形外科学会の専門医研修指定施設
日本手の外科学会の専門医研修指定施設
主な対象疾患
- ●ばね指やドケルバン腱鞘炎などの手術が年間約90件ありました。
- ●手根管症候群の手術は約90件あり、その大半は内視鏡による手術です。再手術例や特殊な症例では従来法の切開による手術をしています。
- ●肘部管症候群は年間約10件で、キング法による手術が大半ですが、オズボーン法やリアマンス法・神経溝形成術など症例によって術式を選択しています。
- ●お年寄りが転倒した際に手をついて受傷されることの多い橈骨遠位端骨折では、プレートによる内固定を年間約90例行っています。骨折部をしっかりとプレートで固定できた時にはギブスをしないで、術後早期から手首の運動を始めています。
- ●その他、突き指による骨折や手指の骨折では鋼線固定やプレート固定を行っています。母指CM関節症(親指の付けの関節が変形してしまって痛くなる病気)に対しては関節形成術や第1中手骨楔状骨切り術を行っています。
- ●小児の野球肘に対しては、その進行具合にもよりますが、膝関節からの骨軟骨移植術(モザイクプラスティー)を行っています。
- ●変形性肘関節症で動きが悪くなってしまった肘に対する肘関節形成術・授動術などを行っています。
- ●リウマチによる手指の障害や手首の障害・指の腱断裂に対しても積極的に手術治療を行っています。
リウマチの治療
現在のリウマチの治療は薬物療法が中心です。その中心的な薬剤には、抗リウマチ剤(DMARD)、非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAID)、そして副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)などがあります。さらに最近では、生物学的製剤と呼ばれる薬剤が使われるようになりました。
抗リウマチ薬は免疫系に作用して関節リウマチの炎症を抑えます。抗リウマチ剤はそれ自体では痛みには効きません。腫れや痛みに直接効くのは、非ステロイド性消炎鎮痛剤ですが、これは逆にリウマチそのものを良くしてくれる薬ではありません。ステロイドは炎症を強く抑えてくれますが、肥満や顔が丸くなる(ムーンフェイス)などのほか血圧が上がったり、血糖値が上がって糖尿病になったり、骨粗鬆症になったりするなどのいろいろな副作用があります。
当院ではリマチルやアザルフィジンなどの抗リウマチ剤をはじめ、現在のリウマチ治療の中心となっているリウマトレックス(MTX)を中心とした治療を行っております。その他、最近の生物学的製剤(レミケード・エンブレル・ヒュミラ・アクテムラ)やプログラフなども症例に応じて積極的に使っております。
外来案内
※午後は手術等のため、一般診療は行っておりません。救急患者さんは必ず電話連絡の上受診してください。
※整形外科は、予約診療は行っておりません。外来は大変混雑しておりますので、時間の余裕をもってお越しください。
肩関節専門外来
主に肩関節に関する診療を行っております。
第3土曜日 午後(完全予約制)
診療実績
令和6年度
疾患名 | 平均在院日数 | 件数(件) |
---|---|---|
大腿骨頚部/転子部骨折 | 30.0 | 72 |
橈骨遠位端骨折 | 5.8 | 68 |
腰椎圧迫骨折 | 23.8 | 50 |
変形性股関節症 | 18.7 | 45 |
上腕骨外科頚/近位端/大結節/骨幹部骨折 | 12.4 | 41 |
変形性膝関節症 | 20.0 | 35 |
橈骨尺骨遠位端骨折 | 9.2 | 32 |
足関節骨折 | 17.6 | 29 |
胸椎圧迫骨折 | 28.1 | 24 |
腰部脊柱管狭窄症 | 22.4 | 23 |
鎖骨骨折 | 5.2 | 23 |
肘頭/モンテジア骨折 | 10.5 | 20 |
橈骨頚部骨折 | 10.5 | 20 |
手根管症候群 | 4.4 | 19 |
母指CM関節症 | 4.5 | 17 |
膝蓋骨骨折 | 13.2 | 16 |
蜂巣炎/蜂窩織炎 | 14.8 | 13 |
中手骨骨折 | 3.4 | 11 |
腰椎椎間板ヘルニア | 22.0 | 10 |
肋骨骨折 | 8.1 | 10 |
その他 | - | 248 |
手術実績
令和6年度
手術名 | 件数(件) |
---|---|
骨折観血的手術(前腕・手舟状骨・下腿) | 260 |
人工関節置換術(股・膝) | 188 |
骨折観血的手術(上腕・大腿) | 146 |
骨折観血的手術(鎖骨・手(舟状骨を除く)・指・膝蓋骨・足) | 104 |
骨内異物(挿入物を含む。)除去術(前腕・下腿) | 52 |
人工骨頭挿入術(肩・股) | 46 |
経皮的椎体形成術 | 34 |
顕微鏡下腰部脊柱管拡大減圧術 | 24 |
関節内骨折観血的手術(肘・膝) | 24 |
関節形成手術(手・肘) | 18 |
関節鏡下手根管開放手術 | 16 |
神経移行術 | 16 |
観血的関節固定術(手) | 16 |
骨内異物(挿入物を含む。)除去術(手) | 14 |
脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。)(後方又は後側方固定) | 14 |
椎間板摘出術(後方摘出術) | 14 |
骨内異物(挿入物を含む。)除去術(鎖骨・指・膝蓋骨) | 14 |
創傷処理(筋肉、臓器に達しないもの(長径5センチメートル未満)) | 12 |
観血的関節授動術(肘・手) | 12 |
骨内異物(挿入物を含む。)除去術(上腕・大腿) | 12 |
四肢切断術(下腿・足) | 10 |
創傷処理(筋肉、臓器に達するもの(長径10センチメートル以上)(その他のもの)) | 10 |
その他 | 264 |
スタッフ

関谷 繁樹 | 医師 | 名誉院長
資格
日本リウマチ学会専門医・日本リウマチ学会指導医・日本整形外科学会専門医・日本手外科学会専門医・認定リハビリテーション医・日本運動器学会専門医・身体障害者指定医(肢体不自由)

山本 邦彦 | 医師 | 病院副院長、診療部長
資格
身体障害者指定医(肢体不自由)・日本整形外科学会専門医

吉澤 貴弘 | 医師 | 診療部長
資格
日本専門医機構認定整形外科専門医・指導医、日本整形外科学会認定リハビリテーション医、日本手外学会専門医・指導医、身体障害者福祉法第15条指定医
所属学会
日本整形外科学会、日本手外科学会、日本骨折治療学会、日本末梢神経学会、東日本手外科研究会、埼玉手外科研究会(幹事)
髙見澤 由紀 | 医師
資格
日本整形外科学会専門医・日本リハビリテーション医学会認定臨床医・日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医
宮本 雅史 | 医師
資格
日本整形外科学会専門医、日本脊椎脊髄病学会専門医・指導医、日本整形外科学会脊椎脊髄病医、日本整形外科学会リハビリテーション医
西村 圭司 | 医師
資格
日本整形外科学会専門医
赤川 玲 | 医師
資格
日本整形外科学会専門医